メニュー 閉じる

【企業モットー Vol.1】Adidasに不可能はない!?

モットーとは、企業の理念を公に発信するために言語化したものです。そして、スローガンとは、マーケティングや、ブランディングを意識した覚えやすく簡潔なモットーのことです。

優れた会社には、優れたモットーがあり、社内外にしっかりと浸透しています。モットーやスローガンは、時々CMなどで目にすることがありますが、あまり意識してその会社との関わりを考えることはなかったのではないでしょうか。そこで、このエントリーでは、有名な企業のモットーやスローガンを紹介し、その裏にある企業の理念を感じていただけると幸いです。

【企業モットー vol.1】Adidasに不可能はない!?

スポーツ用品メーカーAdidas(アディダス)。始まりは1920年にドイツ・ニュルンベルク近郊のヘルツォーゲンアウラッハで、兄ルドルフと弟アドルフのダスラー兄弟が設立した靴製造の会社「ダスラー兄弟商会」です。主にルドルフが販売、アドルフが生産を担当し経営をしていましたが、1948年 に兄弟間で意見の対立が起こり、ダスラー兄弟商会は解消されました。そして、生産担当の弟アドルフはアディダス社を設立しました。「アディダス」とはアドルフの愛称「アディ」と「ダスラー」をつなげたものです。

補足として、このとき兄ルドルフはRUDA社を設立。そして、これが翌年、プーマ社となります。(「プーマ(PUMA)」という社名も、もちろん創業者ルドルフの愛称からとった「RUDA社」をもじったものです。意見は対立しても名前の付け方は、兄弟の似たもの同士ですね)

そんなAdidasのスローガンは「Impossible is Nothing(不可能はない)」

このスローガンは、アディダスというブランドの核心を短く簡潔に伝えることを目的として2004年に発表されました。このスローガンは、アディダスブランドの根底にある「Forever Sport (スポーツと永遠に歩む)」を受けたもので、スポーツに対するアディダスの熱い想いがユーザーに届くようにという願いが込められています。

アディダスの代表を務めたErich Stamminger(2010−14)も以下のように発言しています。

“As an athlete you always strive to go further, break new grounds, surpass your limits. So do we as a brand, to achieve our mission to be the leading sports brand in the world.”

意訳: あなた達アスリートはさらなる高みを目指して日々努力している。そのために、新しいことに挑戦し、自分の限界を越える。私たちアディダスも同じだ。私たちは世界をリードするスポーツブランドになるというミッションを達成するため、常に新しいことに挑戦し限界を越える。

そもそも、このスローガンは、元々英語の慣用句として有名な”Nothing is Impossible”を倒置したもので、文法的には間違っています。しかし、Adidasはあえて倒置させることで、「当たり前だと思っていたもの、不可能だと思われていたものは、簡単に変えられる」という思いを込めています。つまり、この言葉そのものが「不可能はない」というメッセージを体現しているのです。

逆の逆は真なり。”Impossible is Nothing”の言葉も語順も逆にすると、”Everything is Possible (なんでも出来る)”となります。Adidasのスポーツ製品を使い、このスローガンに押されて、何人のアスリートが、不可能だと思われていた記録やパフォーマンスを世界中で達成してきたでしょうか。

そして、多くのプロやアマチュアプレーヤーが、自分の不可能を越える手助けをしてくれるAdidasブランドを愛さずにはいられないのです。