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税理士が変われば日本が変わる

皆さんこんにちは、四ケ所です。今日は「士業」の一つ、税理士についてのお話です。日本全国で約75,000人の税理士が登録されています。経営と納税は必ずセットになってくるものです。その税金という観点から、経営を支えるのが税理士です。これからの中小企業の経営は税理士にかかっているといっても過言ではないと私は考えています。

日本国憲法には、国民の3大義務が掲げられています。皆さんご存知のとおり、①教育の義務(26条2項)②勤労の義務(27条1項)③納税の義務(30条)の3つです。この3大義務の1つである「納税の義務」と税に関するプロである「税理士」は、大きな関わりを持っています。

そして、税理士法第1条には、税理士の使命が書かれています。

税理士は、税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、申告納税制度の理念にそって、納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図ることを使命とする。

また、同法第2条には税理士の業務が定められています。税務代理、税務書類の作成、税務相談、財務書類の作成、会計帳簿の記帳代行といったことが業務にあたります。簡単に言うと、税理士という職業は、顧問先である企業から税務に関する仕事を依頼され、企業に変わって公正に税金の計算をすることで、納税の義務の実現を図っているのです。つまり、税理士は税務のプロであり、企業にとっては税務コンサルタントとしての役割を担っています。

しかし、現実は如何でしょうか?

私は、大学卒業後すぐに税理士事務所に入社し、退社し起業する直前までの13年半勤務しておりましたが、企業から求められていることは、別のところにあったような気がします。税金を計算することはもちろんですが、財務や経営に関するご相談も沢山頂きました。つまり、節税と利益増大という、相反する2つを担う「税金の計算が出来る経営コンサルタント」が私の仕事だと考えていました。

今、多くの税理士さんが、税金を計算する(節税を考える)ことは税理士にとって当たり前の仕事であると考え、他の税理士さんとの差別化を図るために、人財育成やマネジメントに関する研修を受けておられます。税務のプロとしての使命感を持って、経営者の相談相手として企業経営をサポートできる。そんな税理士さんが増えるということは、長く続くいい会社を創るという日本式経営においてすごく価値があることだと思います。

だからこそ、僕の経験をお話しさせて頂きます。

私が税理士事務所の職員として、仕事を覚え、任される内容も増えて、仕事にやりがいを感じていたときの話です。私は、ある言葉をきっかけに、お客様である企業経営者とのお話に違和感を感じるようになっていました。「いや、そう言う事じゃなくて、、」と、顔に書いてあるのです。本当に情けないお話ですが、違和感を感じ始めるのにも随分と時間がかかりました。私が、お客様を訪問させて頂くようになったのは、24歳の頃です。ほとんどの企業経営者が、僕よりも二回り以上年齢が上でした。つまり、親子のような年齢差がありました。

私が若いから、私からの情報など当てにしていないのだろう。私みたいな者に、経営の事が分かってたまるかって事だろう。私は、どうしても盛り上がらない会話の理由を、本気でその様に思っていました。そして、逃げ道として使う台詞がありました。「うちの先生が申しておりました」と。

私は、負けるのが大嫌いで相当短気な性格をしています。この性格が故に、両親にも友達にも沢山迷惑をかけてきました。(この場をお借りして、本当にごめんなさい!!)。ですから、「うちの先生が~」という言葉を発するたびに、自分を慰めると同時に悔しさを感じ「今に見ておれ!」と思っていました。知識をつけ、経営のことを理解しようと、財務諸表分析や原価計算など決算書に関する本を読みあさりました。書いてあることを真似て、資料を何回も何回も作り直していました。

そして、いよいよ気がつくときがやってきたのです。

私は、これまでの知識から生み出した自信作を携えて、ある企業を訪問しました。もう、話したくて話したくて仕方がありません。作っていった資料は、売上高移動平均グラフ(12ヶ月平均と24ヶ月平均をグラフ化して、ゴールデンクロスやデッドクロスを示したもの)、自己資本比率、損益分岐点比率、損益分岐点売上高・・・etc・・・、とにかく、ありとあらゆるものを数値化したものでした。そして、優良と言われる率は○○%ですよと長々と説明をしていました。

その経営者は、ありがたいことに最後までお話を聞いて下さいました。私は、全て話をすることが出来て満足感に浸っていました。しかし、次の瞬間、思いもよらない言葉が返ってきたのです。

「で、どうしたらいいの?」

私は、ハッとしました。その質問にお答えすることができなかったからです。分析した数値だけでは本当に経営に役立つことにはならないことに愕然としました。私がやっていることは、自己満足の世界ではなかろうか。企業経営者が、税理士事務所に求めている事って何だろうか。私は、何をすべきだろうか。何を勉強したらいいのだろうか。迷路に入り始めていました。

こんな思いを抱いているときに、尊敬する経営者の方から「MG(マネジメントゲーム)をやったらどうか」というアドバイスを頂いたのです。そして、このMGとの出会いが、私の仕事の在り方そのものを変えてくれました。そこには「で、どうしたらいいの?」という問いかけに対する答えがありました。経営者は、過去の分析の結果が欲しいのではなく、明日からどうする?に答えてくれる羅針盤が欲しいのだということを知ったのです。私は、初めてMGを受講したときのことを一生忘れないと思います。

だからこそ、多くの方にこの気持ちを伝えたいのと同時に、数字が持っている原理原則を伝えなければいけないという使命感を持つようになりました。一人の税理士さんが、税務だけでなく経営そのものを理解し、真に企業をサポートできればその影響は複数の企業に及びます。税理士さん全員がそういう志を持てば、日本の中小企業のほとんどが救われるのです。

私の父は税理士です。人生や仕事に対する考え方において、とても影響を受けています。その想いを引き継ぐためにも、私は税理士になります。これは、妻との約束でもあります。長い間、税理士試験から逃げておりましたが、2016年の個人的な目標として【挑戦】と【見える化】を掲げておりますので勉強を再開します!そして日本全国にいる税理士の皆さんと繋がることが、新たな夢になりました。「よかところ(四ケ所)」をどんどん生み出す、そんな税理士を目指します!皆さん、応援よろしくお願いいたします!