メニュー 閉じる

企業を継続させる鍵とは?

こんにちは、四ケ所です。皆さんは、TOCという学問をご存じでしょうか?イスラエルの物理学者である故エリヤフ・ゴールドラットさんが提唱した「制約条件の理論」というものですが、私は、これを「砂時計理論」としてご紹介しております。

このTOC理論は、2000年に入ってから小説「ザ・ゴール」で有名になりましたので、すでに読まれた方も多いのではないかと思います。実は、日本語への翻訳が17年間も禁じられたいわくつきの一冊でした。なぜ、翻訳が許されなかったのか。それは、発刊された1984年は、日本経済の黄金期「ジャパン アズ ナンバーワン」の時代でしたから、これ以上日本を強くしてはならぬ!という理由だったとか。

それはさておき・・私は、このTOCをマネジメントゲームのMQ会計とドッキングさせて、世界初のオリジナル研修としてゲーム化した株式会社ソフトパワー研究所の清水信博社長から、最上級インストラクターとして認定して頂いております。このTOC研修は、社内研修として非常に即効性があります。漢方のようにジワジワと効果が現れると言うより、外科手術のように短時間で効果が現れます。内容にボリュームがあるため、すべてをご紹介することは出来ませんが、今日は、砂時計理論についてお話ししたいと思います。

砂時計を思い浮かべて下さい。砂時計は、砂の落ちる速度で時間をはかっています。その砂時計のすべてを決めてしまっている部分がありますよね?
そうです。くびれの部分です。このくびれのことを、ボトルネック(制約)と言います。このボトルネックに手を加えることなく、入り口を広げたり底を頑丈にしても、この砂時計のくびれから出る砂の量やスピードには何の変化も起きません。

仕事で考えてみましょう。

ある工程がボトルネックだったとします。そのボトルネックに手を加えることなく違う工程を改善した時、この仕事のスピードは早くなるでしょうか?

いっさい変化はありません。

なぜなら、ボトルネック工程を通過するスピードは何も変わらないからです。企業で、この改善が繰り返されているとしたら・・・そのためにお金や資源を投入していたとしたら・・・恐ろしい結果が待っていますね。清水先生は「部分最適の総和は、全体最適とイコールではない。」と、私たちに教えて下さいました。つまり、各工程の改善が大事ではなく、ボトルネックはどこだろう?と皆で考えてみることが大事なのです。

ボトルネックには、色んなものがあります。工程、市場、場所、機械、広さ、国、人・・・その中でもっとも気付きにくいのが思考制約です。当たり前すぎて、もはや、それが問題だとは気付けないのですね。業界の常識、会社の常識、自分の常識、まさに思考制約です。

今、このブログを書いている部屋で資料作りが行われています。資料を数えて、ホッチキスでとめて、最後にパンチで穴を開けています。この作業が2人組で行われています。背中を向けているので実際の状況はみえていません。どういうふうに作業されているか想像できますでしょうか?

僕は、すぐに予想できました。1人が紙を数えてホッチキス。1人がパンチで穴あけ。さぁ、皆さんはどうお考えになりますか?結果は明らかですね。一見効率が良さそうですが、時間はロスしてしまっています。時間を短縮するためには、どうしたらいいでしょうか?皆さんなら、どうしますか?その光景に、疑問を持てますか?

まずは、今行っている作業が、最短の時間で行われているのか?と疑問に持つことがとっても大切です。しかし、これが、なかなか難しいのです。当たり前すぎて気がつけないのです。皆さんのお仕事は、最短の時間で行われていますでしょうか?当たり前のことは、本当に正しいのか?まずは自分の手元から見つめてみましょう。

TOCは、とってもシンプルで面白い理論です。コミック版もありますから、ぜひ読んでみて下さいね!!