四ケ所です。今日は、前回書かせていただいた「砂時計理論」の続きのお話です。前回はTOCというお話をさせていただきました。今日はTOCを学ぶメリットをお伝えしたいと思います。
TOCとは制約条件の理論(Theory Of Constraints)の頭文字で、イスラエル人の故エリヤフ・ゴールドラット博士によって提唱されました。この理論はなにかというと、システムの目的を継続的に最大化することを狙う、全体的な管理哲学(全体最適思考)です。うーん、ちょっと難しいですね。でも、この理論を学ぶと、下記の5つに気付くことができます。
1.全体最適思考が理解できる(部分最適が企業の目的を妨げる)。
2.人を活かす全員経営の意味が理解できる。
3.業務フロー図の作成により、次の日より現場の改善に着手できる。
4.リードタイムの短縮と残業時間の削減を実現できる。
5.キャッシュを生み続ける仕組みが理解できる。
いかがでしょうか。企業の永続性には必要不可欠な要素ではないでしょうか。上記項目に興味がある、もしくは、自分には上記の知識や経験が足りないのではないかと感じていらっしゃる経営者・幹部・責任者クラスの方には、是非オススメしたい理論です。何故なら、TOCを学ぶことによって、皆様の会社・部署・チームが円滑に動き出すはずだと私は確信しているからです。
私が長年、会計・税務に関わる中で、その都度クライアントさんとのギャップに悩み試行錯誤を重ねる中、MGを受講することによって色々なことが分かるようになったのですが、その後さらにTOC理論を学ぶことによって、より多面的に理解を深めることができました。そこからのご縁が繋がり、株式会社ソフトパワー研究所でTOCのインストラクターとしての資格まで取得することになり、現在に至ります。私がインストラクターを務めさせて頂いた企業・団体の受講者の皆さまからも、様々なご意見・ご感想を頂いておりますので、一部をご紹介させて頂きます。
以前の我社は、全員が「製品在庫は多いのに、売れ筋商品の欠品が多発!売れているからしょうがないよね!」「残業は当り前!間に合わないなら遅くまで残ってするのが一番効率が良い!みんな一生懸命頑張っているぞ!!」と考えていました。これでは、お客様に迷惑をかけ続ける、働いてもらっている社員さんが参ってしまう、どうにかしなければ・・・と思っていたところ、以前に受講した「TOC」を思い出し、四ケ所氏にコンサルタントをお願いしました。そして、四ケ所氏のコンサルタント初日、あるがままの工場の姿を見ていただいた時、質問の嵐でした。『この仕掛品はいつ製品になるのですか?』『今流れているパーツで組み立てる製品は、お客様が待っていらっしゃるのですか?』『第一工程で仕事をされている社員さんは、今何が製品になっているか知っていますか?』『工場長は今何が欠品しているのか知っていますか?』等々、思い出すのも怖いくらいの質問攻めでした。以降も来社いただいた時はずっと質問攻めでした。その質問に、どうしてだろう?なんでだろう?と考えていると、全員が「自分の仕事」だけ「目の前の仕事」だけに一生懸命になっている事に気が付いてきました。営業スタッフ・事務所スタッフ・工場スタッフ、更に工場の中でも工程毎に、部分最適になっていました。この事に気が付く様に、初日から質問ばかりされていたのではないかと思います。それからは、各部署のスタッフが集まり、進捗状況や欠品情報を話す様になりました。最初は大まかな情報しか伝える事ができませんでしたが、回数を重ねるごとに、些細な情報まで持ち寄り話をする様になりました。それ以降、製品の欠品が格段に少なくなり、お客様をお待たせする事も少なくなりました。また、以前よりも難しく、手の込んだ製品に挑戦できるようになり、社内全員でスキルアップできたと思います。進んだり戻ったり試行錯誤の毎日ですが、少しずつですが進んでいます。あの時に四ケ所氏に質問されていなかったら、今頃は社員さんが病気になっていたかもしれません。お客様にずっと待っていただいていたかもしれません。TOCの科学的な部分はもちろんですが、四ケ所氏には「みんなで考える → やってみる!」という基本の大切さを学ばせていただきました。
株式会社アルファタカバ 小早川 恒緒様
頑張っても頑張っても成果に繫がらない・・そんな悩みを抱える方は、経営者、経営幹部、一般社員、どのポジションにいても多いのではないかと思います。その状態から抜け出すことができないままだと、どんなにエネルギーが高く健全度が高い方でも、いつかは疲弊していきます。
コミュニケーションエナジーの行動方針は、「人に光を、愛を形に価値ある人生の創造をサポートします」です。私たちは、心から、仕事を通して幸せになって頂きたいと思い、私たちに何が出来るのか考えています。私が皆様に伝えることができるTOCは、皆様の会社・部署・チームが円滑に動き出すために何が必要かを具体的に示してくれます。「全体最適思考」がその鍵です。「場」は人に影響を与えます。そして一番大切なこと、それはリーダーがボトルネックになってはいけないのです。
その場にいる人が自らの強みに気付き、イキイキと輝き、そして、周りに対して全体最適思考で関わり合ったとしたら・・私たちコミュニケーションエナジーのビジョン、「世界平和」とは、きっとそんな世の中だと思うんですよね。