たくさんの情報が私たちの周りにはあふれています。その中には、必要な情報もあれば、いらない情報もあるかもしれません。
見ない選択をする
いらない情報とは何か?単純に言うと、「不快」と感じる情報ではないかと思います。テレビを見るときに、ほとんどの人は好きな番組を見ているはずです。もし面白さを感じない、興味のない番組だったら、チャンネルを変えるでしょう。そこで私たちは選択をしているわけです。ここ数年、情報量が増え、その情報が交わされる状況も劇的に変化しました。信頼できる誰かとの会話から得る情報もあれば、SNSやニュースアプリから得られる情報もあります。その中で私が問題と思うのは、「流れていく情報」です。この「流れていく情報」は、ふいに目に飛び込んできます。この時点では、私たちは選択をすることができません。でも、その情報に、気持ちがざわついたり、悲しみを感じたり、怒りを感じたりといった「不快」なことが、意外と多かったりします。
昨年、英国のオックスフォード英語辞典が、2016年を代表する単語として「post-truth(ポスト・トゥルース)」という言葉を選出しました。この単語は、「世論形成において、客観的事実より、虚偽であっても個人の感情に訴えるものの方が強い影響力を持つ状況」という意味です。昨年は、英国のEU離脱や米国の大統領選など、事前の大方の予想を覆す出来事が起こりました。これは、信頼できるメディアが発信した情報よりも、事実誤認や出所がわからないニュースが多くの人の感情を揺り動かした結果といわれています。日本でも、状況は同じです。ツイッターやSNSだけではなく、最近ではテレビ番組や新聞でも、間違った情報が拡散してしまうという、信じられない出来事も起きています。私たちは今情報の渦に巻き込まれているのです。
流れていく情報を見ないという選択をすることで、必要ない不快なストレスが軽減されたり、雑音が減って気持ちが落ち着いたり、時間の使い方を考えるきっかけにもなります。流れていく情報の中にはもちろん必要な情報もあるでしょう。情報も、事実だけが正しいわけではありませんし、時には嘘の情報が、多くの人の心を癒すこともあるかもしれません。事実を見極めることは難しいですが、今、世の中には多くの間違った情報もあると認識すれば、自分で調べることも逆にできる世の中です。大切なのは、自分がその情報を得て何をしたいのか、どうして必要(不必要)と思うのかを考えることだと思います。
情報デトックスという行動も、ぜひ選択肢にいれてみてくださいね。