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傾聴力は1日にしてならず!~集中できていますか?~

近年、「傾聴」が注目されています。カウンセリングやコーチング、メンタリングなどの広まりとともに、ビジネスの場面でも重要視されるようになってきた傾聴。傾聴と一言で言うと簡単に聞こえますが、実際はいろいろな力を身に着けることが必要です。その中でも欠かせないものとは?

傾聴に欠かせない集中する力

ためしに「傾聴」と、インターネットで検索してみてください。いろいろなページが出てくると思います。様々な表現で書かれているので、結局のところどういうこと?と思うかもしれません。簡単に言えば「相手の話をよく聴くこと」です。この「よく」という言葉は、人によってとらえ方がまちまちだと思います。よく聴くことは、相手が聞いてほしい質問をすることだという方もいますし、よく聴くというのは相手を受け入れ否定しないことだいう方もおられます。私が学ぶ中でも、相手が話していないことを相手の表情や態度から「聴き取る」ことが傾聴だという先生もおられました。どれも正解だと思います。

学んでいる中で思うことは、傾聴は、話を聴いてうなずくだけでも、まずは十分ということです。もちろん、ただ聴いているだけでいいというものではありませんので、質問力や観察力、表現力などはトレーニングが必要でしょう。それらのスキルは、実践していく中で身につけていかなくてはいけませんが、難しく考えずに、相手が何を話しているのかに耳を傾けることが傾聴の第1段階です。ただ、どんなにスキルがある人でも、一番大切なのは、目の前にいる相手に集中できているかどうかではないでしょうか。

集中して話せる、聴ける場、をつくろう!

集中して話を聴くためにいったいどんなことができるでしょうか。カウンセリングでは「場面設定(場面構成ともいう)」という言葉があります。話す側も、聴く側も、場の状態が大切です。例えば面談をする時に、こんな視点を持ってみましょう。
・どんな場所で?
・どんな時間帯で?
・事前に準備はできている?
など、集中できる場を、どう作るかを考えてみてください。

人間の脳は新しもの好きです。何かに集中していても、ちょっとした刺激で、そちらに意識が向いてしまうことは避けられません。ですから、その刺激を極力少なくすることで、より集中して話を聴くことができます。これは聴くほうだけでなく、話すほうも同じですが、ついつい気になるスマホは手元に置かずに面談をするだけでも、集中力が途切れづらくなります。音にも脳は反応しますので、できれば静かな場所で、話ができる環境を作ることも大切です。どうしても状況が許さない場合は、面談をする前に「集中して話をしよましょうね、私も集中して聴きます。」と、約束をすることも効果的です。

話す側には、本当に相手が話を聴いてくれているかが伝わります。「上の空」という言葉がありますが、何かをしながら話を聴くことは、通常はとても難しいものです。ですから、新聞を読みながら、とか、テレビを見ながら、というのは、なかなかあり得ない状況です。家族で話をする時も、同じことが言えるかもしれません。社員の話、部下の話、夫の話、妻の話、子供の話…皆さんは目の前の相手に、どれだけ集中しているでしょうか。話を聴く前に、集中できる場をぜひ作ってみてくださいね。

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