こんにちは、湯ノ口です。今回は、最近多くの経営者さんからご相談がある「ほめる、叱る」について、人材育成という観点から、前編後編でお伝えしたいと思います。
部下のやる気を引き出す人財育成
部下に、仕事に対するやる気が無いと、仕事の支持・命令を出しても思うように動いてくれず、なかなか効率が上がらないという事がないでしょうか。特に新入社員に関しては、やる気ひとつで順調に成長するか、そうでないかが決まってしまうこともあります。
また、部下のやる気があがらないまま教育を続けていると、ある程度、成長したところで、本人が意味を見出せず退職してしまうことがあります。そして、新しく採用しては、始めから新人教育という様にいつまで経っても部下が育たず、教育ばかりをしなくてはならない状態になってしまいます。
この状態になると、“最近の子たちは根性が無い”だの“やる気が無い”だの相手のせいにしてしまう事になりがちです。これを打破するには、自分の教育の仕方に問題があると自覚する事が大切なのです。人材育成で大切なのは、部下の“やる気を引き出す”ことです。では、やる気のある部下を育てる方法とはどのように行うと良いのでしょうか。そこで大切なのが、「ほめる、叱る」です。
“怒る”のではなく“叱る”
叱る上司が減っているなどの報道がされていますが、果たして本当にそうでしょうか。最近、皆さんが部下に指導をしたのはいつでしょうか。考えてみましょう。昨日でしょうか?一昨日でしょうか?一週間前という人も居るかもしれません。
本当に叱ったでしょうか?
意味深に質問させていただきましたが、どういうことかと言うと、叱ると怒るは全く別の物だという事です。
というのも叱るというのは相手の成長などを期待して行う事ですので、言葉遣いの端々にしっかりと相手を思い、諭すように伝えるものです。しかし、怒るということは、自分の感情のままに爆発させる行為なので、無意識のうちに棘のある言葉を使っていることが多いようです。
この違いを、具体的に考えてみましょう。
あなたは、チームの業績が上がらないことを上司から厳しく詰められました。勿論、自分だけの力だけではどうにもならない事なので、部下にも伝えなければなりません。とはいえ、上司から詰められた後なので、自分の気持ちにも余裕が無い状態に陥っています。この時、部下に対して感情的にならずに、重要な箇所だけを説明し、目標に向かう為にどうするべきかを冷静に伝えられるでしょうか。
一番やってはいけない事なのが、イライラした気持ちをぶつける事です。この怒りの感情をぶつけてしまう人が増えているのです。これをやってしまうと、部下にはただの八つ当たり、理不尽に怒られているようにしか感じられません。これが「怒る」ということです。このような、「怒る」という事を続けていると、本来伝えたいことは伝わらないまま、徐々に部下のやる気も下がってしまうという事に繋がっていくのです。
「叱る」というのは、相手のためにおこなうものであり、注意やアドバイス、そして自分からのリクエストでもあります。はっきりと部下に、伝えるべきことを伝えられているでしょうか。あなたは叱ることができているでしょうか。
上司と部下の上下関係があるにせよ、常日頃から相手を大切に思う気持ちが、言葉として表れてきます。人に影響を与える人ほど、まずは自分の発する言葉に注意を払い、互いが共に成長し合う質の高いコミュニケーションを取っていきましょう。
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