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借りてきた言葉では伝わらない~自分の言葉で伝えよう~

仕入れた知識や情報を、部下に伝えたい!と思って、内容を伝えても、思うように伝わらないって時ありませんか?もしかしたら、誰かが言ったことをコピーしたり、本の内容をそのまま伝えているかもしれません!

うわべの言葉は相手に伝わる?

私は職業柄、いろいろな分野の講師やインストラクターなどからお話を聞く機会が多いのですが、たまに、「なんだかこの人の話は伝わってこないな。」と感じることがあります。それはどうしてか、と考えてみると、自分の言葉で話をしていないように見えるのです。

伝える側としてはたくさんの知識と情報を持っていたいと思うのは当たり前です。本を読んだり、情報を調べたり、話を聞いたりしていると思います。私ももちろん例外ではありません。講師としてはもちろんですが、日常でも、部下にいい知識を渡してあげたいですし、会社にとって有益な情報を仕入れてきたいとアンテナを張っています。でも、自分が持っているよい情報を、どうやって伝えるのか考えずに伝えると、せっかくの情報も知識も台無しになってしまうかもしれません。

本の知識のコピーであれば、実際に本を読めばいいですし、情報の羅列であればインターネットで調べれば済むことです。しかし、本当にその情報を誰かに伝えたいのであれば、自分の言葉で語りましょう。そうでない場合は、聞く側からはうわべの言葉に聞こえる可能性があります。

理解しなければ自分の言葉は出てこない

例えばですが、就職活動の時の面接を思い出してみましょう。最初は志望動機や自己アピールを考えて、実際の面接の場でそれを話すことでいっぱいいっぱいだった経験はないでしょうか。でも、面接練習や場数を積むうちに、その言葉自体が自分のものになっていたと思います。または、学芸会や発表会で、台本を読むだけだった時期から、セリフに自分の気持ちがのっていくような経験をされた方もおられると思います。まずは型をコピーして、繰り返し発していくうちに、だんだんと自分のものになっていくのです。

伝わるコミュニケーションにも同じことが言えると思います。最初は本のコピーでも構いません。そこに「伝えたい」「伝えよう」という気持ちがあることは大前提の上で、何を自分が理解しているのかを考えてみましょう。自分が、本当の意味で理解しなければ、自分の言葉にはなりません。そして、借りてきた言葉ではなく「自分の言葉」を探しながら発信することを意識しましょう。さらに、理解をしようとする過程そのもの自体が経験となり、経験も含めた「思い」が加わった言葉で伝えられるようになっていくのです。

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