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モンゴル経済視察ツアーレポート後編:「モンゴルってどんな国?」

6月中旬に「モンゴル経済視察ツアー」に参加してきました!先日の前編に続き、今日は後編です!前編はこちらから。

百聞は一見に如かず

今回のツアーは経済視察ということで、観光だけでなく
・ウランバートル商工会議所
・孤児院「大地の家」
・バガノール石炭鉱山
・現地遊牧民のゲル
も訪問させて頂きました。

ウランバートル商工会議所では会頭からお話を伺うことができ、質疑にもご対応頂きました。そこでも初めて知ることがたくさんありました。

日本はモンゴルにとって初めて自由貿易協定を結んだ国で、日本からの輸入品の9割は車関係だそうです。輸出は、鉱山資源に加え、カシミヤ・ウール等の家畜資源、はちみつ類とのこと。地下資源は豊富らしいのですが、商品化する技術がなく、加えて地下資源はいつかなくなることへの危機感もあり、技術や機械、更には教育や医療分野で日本の協力があるとモンゴルの大きな発展につながるとの話を伺いました。

ちなみに会頭は歴代初の女性がつとめておられ、女性のパワーを感じました。モンゴルでは男女を差別する風土はないそうで、決断が必要なポジションには女性の割合が少ない一方、それを支えるポジションになると圧倒的に女性が多く、900社ほどある会社の取締役の三分の一は、女性なんだとか。すごいですね。

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また、「日本人は勤勉で技術力もあり、見返りを求めることもないため、現地の方々からは尊敬されている」ということを知り、日本人であることを誇りに思えた機会でした。

そして、孤児院「大地の家」には、経済上の問題や虐待で、親の元で過ごすことが出来ない子供たちが、集団で生活をしながら学んでいました。楽器を必ず一つ習得することに取り組んでおられて、私たちを全員で歌や踊りでもてなしてくれました。

一時期「マンホールチルドレン」という、厳寒の外に比べれば暖かいマンホールの中で、集団で暮らしている子供たちのことを日本でもとりあげていましたので、ご存知の方も多いかもしれません。子供の貧困は深刻な問題です。現在は施設も増え、マンホールで暮らす子供たちは見かけなくなったそうですが、まだまだ住むところは違えど、同じような境遇の子供たちがたくさんいるとのこと。

実は、この「大地の家」も、日本の「国際平和基金」という財団が、施設立ち上げから支援を行っています。こういった子供たちの存在を目の当たりにした時、何かこの子たちのためにできることがあれば、とこれまでにない感情が芽生えてきた瞬間でした。

バガノール石炭鉱山はウランバートルから135キロ離れたところに位置し、行く途中の道路はシベリア鉄道の線路と並走していて、運よく列車も見ることができました。この鉱山のスケールはけた違いでした。長さ10・5km幅2km深さ106mという想像を絶する広さで、年間190万トンを掘削、ウランバートル市の70%の電力を賄っている石炭鉱山でした。

掘り出して列車に乗せるまでのシステムの開発にはJICAが援助、中を縦横無尽に走り回る超大型トラック(なんと50t!)は日本の建機メーカーが支援しており、ここでも、日本が頑張っていることをシミジミと感じさせられたのでした。

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遊牧民の移動式住居「ゲル」訪問では、基本遊牧民は親族で過ごすことが多いからか、外からの客が珍しいのか、子供たちが嬉しそうに出迎えてくれたのが印象的でした(手には何故か木彫りのピストル?を持っていました)。時期によっては厳しい環境の中で、まさに、家族と共に、家畜と共に、日々を過ごす、そんな大自然での営みは、「スゴイ」としか言いようがありません。

我々からすれば素朴な生活であることには違いはありませんが、ソーラーパネルが設置してあったり、衛生アンテナがあったり、最近の移動手段は馬ではなく「車(トラック)」であったり、あちこちに近代文明の波が押し寄せています。ここでは乗馬もさせて頂きましたが、実際に私たちに付き添ってくれた遊牧民の娘さんは、馬に乗って片手で「ながらスマホ」(!)でした。

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実質滞在は3日間のツアーでしたが、視察の他にも観光地(高地ゆえほぼ登山、脱落者多数発生)を回りました。スケジュール的にも盛りだくさんでしたし、目的地がどれも遠く、移動手段がバスしかないこともあり、あっという間の3日間でした。

なによりも、行く前までは何の興味もなかった国なのに、「また行ってみたい!」と思えたのは、やはり「体験してみないとわからない」「知ることでこれからの新しい自分の在り方や行動が見つかる」「日頃実感すらしていない所で、日本が確実に国として果たしている役割がある」からで、そんなことをあらためて教えてくれた、本当に素敵なモンゴルツアーでした。どんなに本で調べたとしても、自分の体験・経験に勝るものはありませんね。

今回は久しぶりの海外で、とても刺激をもらい、これからも自分の目で確かめることをどんどんしていきたいと思います。目隠しで世界地図にダーツで行き先を決める、ミステリーツアーにチャレンジするのもいいかもしれません。皆様もいかがでしょうか。ただし、結果南極や北極に矢が当たっても、責任は全くとれませんのであしからずご了承ください。