湯ノ口です。皆さんは、普段どんな意識で仕事をしているでしょうか。意識がどこに向いているかで、仕事の質は変わる。今日は、ひと手間の話をしたいと思います。
なかなか予約が取れないお寿司屋さんでの1シーンです。
お客:「大将、ここのお寿司の美味しさの秘訣はなんですか?やっぱり鮮度ですかね?」
大将:「お客さん、それはいい質問だね。ただ新鮮な魚を出すだけで美味しい寿司になると思うかい?」
この会話で私が感じることは、魚の美味しさを引き出すには工夫が必要であり、お客様のことを考えて一手間加えることが重要であるということです。
当然と言えばそうなのですが、これを毎日繰り返すとなると、なかなか難しいものがあると思います。つい毎日の忙しさに巻き込まれてしまって、単純作業のようになってしまいます。そうすると、作業に意識が向いてしまい。相手に気持ちが向かなくなります。これでは、一つ一つに込めた思いや新たな価値を提供することができません。
「意識を意識する」と言う言葉がありますが、日ごろから自分の意識がどこに向いているのかに気づくことが大切です。自分では気づかないうちに、出来ていたことが知らず知らずに出来なくなってしまう。怖いことです。
先日、イタリアンレストランに行った際、手書きで書かれた黒板のメニューを見て、何か伝わってくるものがありました。もちろん、仕事の一環のことなのでしょうが、このちょっとした行為の積み重ねが、お店全体の雰囲気を作り出していると感じるのです。自分の日常を振り返り、仕事が作業になっていないか、何のために誰のための仕事をしているのか、『今、ここ。』に集中した仕事をしたいものです。