湯ノ口です。人は何を知っているかによって、またどのような事に気づいているかで、見える現実が違ってきます。今日は「変化」についてお話ししたいと思います。
脳科学に知覚差異という考え方があります。これは、同じ環境、同じ物事、同じ出来事があったとしても、人によってそれぞれ受け止め方、つまり解釈が異なるということを意味します。ここで私が言いたいことは、互いの解釈の違いは「間違い」ではなく、「異なること」だということです。
この微妙なズレがあることで、これまでにない捉え方が生まれてくるのです。各個人の思考や発想が活発になり、さらにその中からも新たな共通の価値が見えてきます。ここで可能性がひろがります。
さらに、バタフライエフェクトという考え方があります。蝶が羽ばたく時に、小さな羽が起こす気流がやがて大きな気流の流れをつくり、竜巻やハリケーンを起こすと言う話です。些細なきっかけが人生の流れを変化させることにつながるということを、すでに経験されている方もおられるかもしれません。
「異なること」に気づき、小さな変化を作り出すこと。それが今リーダーに求められているのではないでしょうか。
なぜなら、小さな変化が大きな変化をもたらすからです。
DNAの世界でも、ゲノムのパターンが一つ変わることで難病を解決できる可能性があります。たった一つパターンが変わるだけですが、大きな変化が出現します。
変化に敏感でいることもトレーニングです。自分の持つパターンを少し意識し、変えてみる。そこから思考が変わり、今までにないアイデアが出るかもしれません。ほんの少しの時間、空を見上げるだけでも不思議と気分が変わるものです。パターンを変えようと思うこと自体に意識変化があるのですが、この意識がとても大切なのです。通勤の時に乗る車両を変えてみる、普段は着ないような服を着てみる、出歩く街を変えてみる。そんな小さな変化でまずは構いません。その変化の積み重ねが、世界を大きく変える一歩になるのです。